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第48回OT 午前16~20

第48回作業療法過去問題

48-A-16 53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。

作業療法場面でみられやすいのはどれか。

1.柔軟な判断

2.高い目標設定

3.共感的な感情表出

4.熟慮に基づく行動

5.円滑な対人関係の構築

 

正答 2

1、4.アルコール依存症では、集中力、判断力の低下や衝動性がみられるため、柔軟な判断や、熟慮に基づく行動は困難である。

2.正しい。アルコール依存症患者で特に離脱症状後では、アルコールさえ飲まなければなんでもできるというような高い目標設定がみられる。

3、4.アルコール依存症患者は自己評価が低く、他人に対して協調的にかかわることが困難なため、共感的な感情表出や円滑な対人関係の構築は困難である。

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48-A-17 48-A-18

次の文により17、18の問いに答えよ。

32歳の女性。統合失調症。大学卒業後商社に勤務していた。28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり、このころから幻聴が出現した。定期的に受診し服薬を続けていたが、1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し、外来作業療法が処方された。

48-A-17 作業療法の評価で優先するのはどれか。

1.生活歴

2.基礎体力

3.金銭管理能力

4.対人関係能力

5.余暇の過ごし方

 

正答 4

設問より、患者は商社に勤務していたが、1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加した、とあり、まずは職場の人間関係や対人関係能力の評価が優先される。

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48-A-18 この患者の作業療法で優先するのはどれか。

1.運動

2.調理訓練

3.通勤訓練

4.レザークラフト

5.セルフモニタリング

 

正答 5

対人関係に対するアプローチとして優先されるものを選ぶ。

セルフモニタリング認知行動療法で用いられる手法で、患者自身が自分の行動を観察、記録する方法である。セルフモニタリングを行うことで、どのような時に幻聴が現れるのか、悪口が幻聴で聞こえるとどのように感じ、どのような行動をとるのかなどを知り、治療につなげることができる。

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48-A-19 48-A-20

次の文により19、20の問いに答えよ。

24歳の女性。自己愛性パーソナリティ障害。大学院を修了しサービス業に就いたが、自分より学歴の低い社員と同じ職場に配属されたことに腹を立て、上司に配置換えを要求した。客に尊大な態度を批判され、「なぜ自分が批判されるのか、配置換えの希望を無視した上司が悪い」と言い、怒りをあらわにした。その後、うつ感が強まり、自宅に引きこもるようになったため両親が精神科を受診させ、作業療法に通うことになった。

48-A-19 この患者にみられやすい特徴はどれか。

1.自罰傾向

2.特権意識

3.自生思考

4.不定愁訴

5.嫉妬妄想

 

正答 2

※設問の内容から考えること。

1.批判されることに対して上司が悪い、などと言う他罰傾向がみられる。

2.正しい。特権意識の高さは自己愛性パーソナリティ障害の特徴であり、患者の場合も学歴の低い社員と同じ職場にされたことに対して腹を立てている。

3.自生思考(自分の考えではない考えが勝手に浮かんでくるというもの)は統合失調症の特徴である。

4.不定愁訴は原因が明確でない様々な訴えであり、身体表現性障害などでみられる。

5.嫉妬妄想はアルコール依存症の特徴である。

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48-A-20 作業療法士の対応で適切なのはどれか。

1.作業の結果を積極的に賞賛する。

2.学歴に見合った仕事を探す。

3.競争や勝ち負けを重視する。

4.失敗や葛藤を避ける。

5.役割行動を促す。

 

正答 5

1.積極的に賞賛することは自己愛や特権意識を助長させることになるため適切でない。

2.学歴に見合った仕事をすることは自己愛を満たすことになるが、本人に適した、また能力に合った仕事とは限らない。

3.競争や勝ち負けでは、勝った場合は自己愛を助長させ、負けた場合は他人に責任転嫁するなどがみられるため適切ではない。

4.失敗や葛藤をする経験を通じて、自己を成長することにつながる。

5.正しい。能力に応じた役割行動を促すことで自己認識を高め、不適応パターンの修正を図る。

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