読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

第48回OT 午前1~5

第48回作業療法士専門問題解説

48-A-1 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。

f:id:motimotojuku:20161030103702p:plain

 

正答 1、3

1.正しい。頸部側屈の基本軸は第7頸椎棘突起と第1戦椎棘突起を結ぶ線、移動軸は頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線である。

2.肩甲帯屈曲の基本軸は両側の肩峰を結ぶ線、移動軸は頭頂と肩峰を結ぶ線である。

3.正しい。肩関節屈曲の基本軸は肩峰を通る床への垂直線、移動軸は上腕骨である。

4.手関節伸展の基本軸は橈骨、移動軸は第2中手骨である。

5.母指尺側内転の基本軸は示指、移動軸は母指である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

48-A-2 脳血管障害患者にネット手芸を作業活動として選択した。下から6段目までを作業療法士が手本として見せた後、色を変えて患者が実施した作品の途中経過を下に示す。

最も考えられる障害はどれか。

f:id:motimotojuku:20161030104249p:plain

1.観念失行

2.拮抗失行

3.構成障害

4.視覚失認

5.手指失認

 

正答 3

図から指す穴の間違いみられ構成障害があることがうかがえる。

また、視力低下によってもこのような間違いがある場合がある。

1.観念失行は道具の使用方法や系列動作が障害される。図ではネットの持ち方や針の使い方の障害はうかがえない。

2.拮抗失行は前頭葉内側面や脳梁の障害で出現するもので、一方の手が行うことを他方の手が邪魔をするなどの症状がある。

3.構成障害は絵の模倣や積み木の組み立てなどの構成課題が障害されるものである。設問では見本通りに穴を通すことができていない。劣位半球の頭頂葉の障害で生じる。

4.視覚失認は視力や視野の障害がないのに視覚による物の認知が障害されるものである。両後頭葉の障害で生じる。

5.手指失認は優位半球頭頂葉(角回)の障害でゲルストマン症候群などで生じる。手指の識別ができなくなるものである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

48-A-3 58歳の男性。脳腫瘍と診断された。頭部MRIを下に示す。

最も考えられる症状はどれか。

1.体幹失調

2.視野障害

3.注意障害

4.感覚性失語

5.左半側空間無視

f:id:motimotojuku:20161030105719p:plain

 

正答 3

設問の患者は左前頭葉前部に腫瘍がみられる。

1.体幹失調は脳幹や小脳の障害でみられる。

2.視野障害は網膜の障害や、視覚の伝導路(視床外側膝状体~側頭葉皮質下の視放線~後頭葉)の障害でみられる。

3.前頭葉前部の障害では注意障害、ワーキングメモリの障害、思考障害、脱抑制、保続、強制把握などがみられる。

4.感覚性失語は左(優位半球)側頭葉の障害でみられる。

5.左半側空間無視は右(劣位半球)頭頂葉の障害でみられる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

48-A-4 70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患による慢性呼吸不全。安静時も酸素吸入が必要である。処方に従って作業療法時に酸素流量を上げ、休息中に下げようとしたところ、呼吸が浅くなり意識障害が出現した。

最も考えられるのはどれか。

1.呼吸性アルカローシス

2.代謝性アシドーシス

3.CO2ナルコーシス

4.天幕上脳梗塞

5.低血糖発作

 

正答 3

1.慢性閉塞性肺疾患があり、酸素吸入を行っていても呼吸性アルカローシスをおこすことはない。呼吸性アシドーシスをおこすことはある。

2.代謝性アシドーシスは体内の酸性物質が増加(糖尿病によるケトアシドーシス)、または体内のアルカリ性物質が減少(激しい下痢による腸液の消失)が原因で起こる。

3.酸素量を上げたことにより、呼吸中枢刺激が弱まり呼吸を抑制することがある。呼吸が抑制されると体内のCO2が上昇し、CO2ナルコーシスをおこし意識障害をおこすことがある。

4.天幕上脳梗塞は大脳での脳梗塞であり、呼吸障害をおこすことは稀である。天幕下脳梗塞は脳幹や小脳での梗塞であり、呼吸障害や意識障害をおこすことがある。

5.低血糖発作は糖尿病で生じる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

48-A-5 88歳の女性自営の商店や家事は息子夫婦に譲り、たまに店番をして過ごしていた。3か月前に転倒し、右大腿骨頸部骨折で入院した。人工骨頭置換術後のADLは、見守りによるT字杖歩行と入浴の介助以外は自立して自宅退院した。退院時のHDS-Rは22点と見当識と記憶障害を認めたが、日常の生活で問題行動はみられなかった。要支援2と認定され、通所リハビリテーションを利用することとなった。

興味チェックリスト(高齢者版)の結果を示す。

この対象者の作業療法目標として適切なのはどれか。

 

1.園芸・野菜づくりを導入してできた野菜で料理を行う。

2.グループの中で裁縫をしながら仲間づくりを促す。

3.掃除・洗濯を含めた主婦の役割を再獲得する。

4.カラオケなどへの参加を促して趣味を広げる。

5.旅行などの外出で応用歩行を習得する。

 

 

正答 2

1.園芸・野菜づくりは「興味なし」であり、適切でない。料理には興味があるため料理をすることで仲間づくりを促すことは良い。

2.裁縫は「高い興味あり」また婦人会・老人会に「高い興味あり」おしゃべりにも興味があることから、目標として適切である。

3.掃除・洗濯は「少し興味あり」だが、家事は息子夫婦に譲っており再獲得する必要性は低い。

4.歌を聴くは「少し興味あり」、歌を歌うは「興味なし」であり、目標として適切でない。

5.旅行は「興味なし」であり目標として適切でない。散歩は「高い興味あり」であり、散歩をすることで応用歩行を習得することは目標として適切である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・